雪の降る、晴天の花園


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魔法少女イルア 1章  それはあまりにも突然で……(2)

「え? 今日遊ぶの?」

放課後の帰り道、3人は並んで話していた。
桜並木の歩道。いつも通る下校道。春の様々な花があちこちに咲いていた。
アイルが驚いたのは、ツインテールの子からのいっきなりの申し出だった。

「そう! 今日ね~、皆で町に買い物行こうと思うの! どう?」

すごい勢いで誘われる。この少女は、行動派でよく引っ張ってくれるが、その分遠慮が少ない。しかも、唐突過ぎて予想が出来ない。

「えっと……、そんな予定初めて聞いたんだけど……」
「私も、今初めて聞いた……」
「ええっ!?」

まさか、自分の片割れにも言ってないとは思わなかった。

「だって、今思いついたんだもん」
「ええっ!!?」

(と、唐突過ぎる……。)

アイル達は、いつもながらこの少女の奔放さに度肝を抜かれていた。

「……そういうのはね、最低限前日決めておくものだよ。しかも、最初は予定を聞いてから考えるものだよ」

常識というか、最低限のマナーを教えているのはショートカット気味の少女。彼女はツインテールの子の双子の姉なので、こういう役回りが多い。アイルも同情するくらい苦労してそうだった。

「今行きたくなったんだも~ん」

(だ、駄目だ……。)

アイルと少女は同じ意見に達した。

「で、アイルちゃんはどうするの?」
「う~ん……」

今日の予定を確認する。確か、今日は特に用事は無かったし、買いたいものとかもあった。しかも、お小遣いもまだ残ってる。

「うん、いいよ。私も行く」
「じゃあ、早速行こう!」

返事への反応が、異様に早かった……。

(もしかして、断るって選択肢が存在してなかった?)

ちょっと友情が、疑わしいものに思えてくる。
疑心に苛まれるアイルの耳元でショートカットの子が囁いた。

「一応、あの子なりに心配だったみたいだよ。最近、元気なかったから」
「うん……」

アイルはちょっと前に悲しいことがあって、それを今でも引きずっていた。
自分ではもういつも通りのつもりだったのだが、彼女達にはお見通しだったらしい。

「ごめんね」
「いいって。好きでやってることだろうから」

アイルの謝罪の言葉に、少女は心配させたほうだと思ったのだろう。首を振って明るく接してくれた。

「お~い! 二人とも遅いぞ~!」

アイルが気付いたときには、ツインテールの子は随分と前にいた。

「今行く~」

慌てて追いつこうと駆け出す二人。
アイルは、双子達に気付かれないように言葉を発した。

「ごめんね。二人はこんなに私に優しいのに疑って……」

それは大切な友達への、心からの謝罪だった。
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by yuki_ten | 2008-04-07 21:59 | 魔法少女イルア
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